春の味

毎日お家っ子だと食べ物に変化をつけるのが結構面倒。

なまじ、あれこれ目先の変わったものを食べるのが普通になってるから、昔ながらのご飯に味噌汁、香のものにお采がふたつほどでは、飽きがくる。

かと言って、外に出て食べるのもなあ、の思いもあるし、、、。

そういいながら相変わらずの食卓ではあるのだけれど。

そして一昨日、ふと思いついてユキノシタの天婦羅を揚げてみた。

小さい頃は至極当たり前に食卓に上っていたもの。

この頃食べてないからどんな味かも忘れている。

記憶にあるのは少し苦みがあったような気がするんだけど、妙にあっさりしてた。もっと癖があって食べ応えがあったような気もしてたから、拍子抜け。おいしくはあったんだけどね。

多少、つるっとした表面だったから、まだ十分育っていなかったのかもしれない。

このユキノシタ、知人の家にあったのを分けてもらったもの。我が家は風通しが良すぎるのか、地植えにすると絶えてしまうので敢えて鉢に植えておいた。どうやら居心地が良かったようで、鉢一杯に増えてくれた。花が見たくて貰って来たんだけど、花の前に食材になってもらった次第。

更に昨日は、あさつきの味噌煮。

あさつきは栽培物で野生ではないから、分葱か小葱くらいの大きさ(と言うか長さ)。私の脳裏に浮かぶあさつきとは別物。

実は、あさつきは雪解け時に野原や畑の脇に生えるもので、栽培種があることを長い間知らなかった。お店で見ても分葱か小葱の仲間と思い込んでた。表示にあさつきとあっても、そういう名前の品種だと思ってた。

何せ私の知ってる野生のあさつきは、大きくても十数センチ、短ければ数センチの長さが精々。太さもかなり細くて、根っ子部分のふくらみも小さい。

で、何かの折に知人とあさつきの話をした時にどうにも話がかみ合わず、やっとあさつきに栽培種があって結構長いものだと知った。

そんなことはさておき、久々に食べたらおいしくて、結構な量をあっという間に食べてしまった。

 

考えたらユキノシタもあさつきも春の食材。

桜も咲いたし、なんだかんだ言っても、春なんだなあ。

そう思ったら、食べたいと思う山菜が目に浮かぶ。

あずきな(なんてんはぎ)、くごみ(こごみ)、ぜんまい、ワラビ、うど、くさな、野生のあさつき、等々。際限なく浮かんでくる。

売ってるのもあるけど、なぜか買おうとは思わない。自分で摘んできて食べたい。

小さい頃から、摘み草は春の楽しみだったからなのかなあ。

育ったところと今住んでるところでは季節が一か月以上ずれてるから、つい摘み草の時期を逃してしまう。一番身近で手に入りやすいあずきなも、この間見たらもう虫がついてたもんなあ。

もう少し暖かくなったら、よもぎやだらんぼ(だらにすけ)、すもさ(スイバ、スカンポ)を摘みに行こうかな。