文章の記憶

幼い頃繰り返し夢中になって読んだ本を文庫本の棚に見つけた。

きちんと大人向けに翻訳されたのはどんな内容なんだろ、どこか端折ってるのかな、と興味が湧き3冊ほど買ってきた。

読み始めたら、あれ?私の覚えてるのと同じ書き出しのような、、、。

そんな感じを抱きながら読み進めて行ったら、内容で抜けてる部分は何もない気がする。自分が読んでた本と比べた訳では無いけど文章の調子も同じような気がする。

全部が全部覚えてるわけではないし、もう何十年も前に読んだきりだからはっきりそうとは言い切れないんだけど、、、。

一緒に買ってきた別の本も同じ感想。

三冊目も同じ。

え?何で?私の読んでたのは大人用の訳と同じなの?と頭の中は疑問符だらけ。

3冊目の後書きを読んで、ようやく合点がいった。

私が読んでた小学館の「少年少女世界名作文学全集」の訳者の一人が川端康成で、その訳をそのまま文庫本にしたものらしい。

あらびっくり、とってもいいものを読ませてもらってたのね。

刊行されたばかりの全集を発売の度に毎月一冊父が買ってきてくれていた。

親の目論見では、兄弟姉妹全員が読んでくれればいいなということだったらしいけれど、結局全部読んだのは私一人。でもまあ私は気に入ったのは何十回も読んだのだから元は取ったのかもしれない。

ちなみに、文庫本を買ってきたのはこの三冊。

秘密の花園、小公女、小公子。

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実はこの小学館の「少年少女世界名作文学全集」は、小公子だけが抜けてるけれど、今私の手元に全部ある。実家で邪魔だから処分の話が出た時、どうにも忍びなくてもらい受けてきた。

この小学館の「少年少女世界名作文学全集」で、一番最初に刊行されたのが小公子で特別印象が深い。でもその小公子がないのは、妹が同級生に貸したまま戻ってこなかったから。

そんなことはさておき、久しぶりに仕舞い込んである全集を引っ張り出してみようかなあ。