みょうがとおにぎり

買い物に行ったら太ったミョウガが売られていた。それもかなりの大袋。

この頃見るミョウガは数も少なく細いのばかりだったから、何だかうれしくなって思わず買い込んでしまった。

まあ、調理の当てがあってのことなんだけど。

作ったのは味噌詰め焼き。

真ん中に切れ目を入れて、生みそを練りこんで直火で焼く。至って簡単で料理とも言えないようなものだけど、太ったミョウガじゃないとできないもの。

久々に作ったので味噌の量がどうかとちょっと心配だったけど、まずまずの出来。

つれあいも、久々に食べたらおいしいなあ、とのたもうていた。

このミョウガの味噌詰め焼きを食べると簗場を思い出す。

小さい頃、家から見える簗場へ行くのが夏の終わりの楽しみだった。

自分で捕まえた落ちアユを焼いてもらって好きなだけ食べる。いい具合の塩焼きを頭から尻尾まで、内臓も含め残すことなく全部食べ切る。ほくほくとしたいい匂いのするアユの塩焼きはとってもおいしかった。

そして、簗場を管理してる顔見知りのおじさんが、アユを焼きながらこのミョウガの味噌詰め焼きを作ってくれた。これがまたおいしくて、つい食べ過ぎてじさまに「腹も身の内」とよく言われたもんだった。

あのアユを又食べたいと思うけど、上流に大きなダムが出来てしまったせいで今は簗場がない。アユの放流もやってるのかなあ?

せめてミョウガの味噌詰め焼きをと思っても、丸々とした太ったミョウガには中々お目に掛かれない今日この頃。庭のミョウガも栄養不足で貧弱だし、個数も少ないし。今年は特に不作だったしねえ。

何はともあれ、久々にミョウガの味噌詰め焼きを食べることができて満足満足。

 

テレビでおにぎりの話をしていた。

海外でも人気があるとか。

中に入れる具の多様さに思わず目を見張ってしまう。

この頃のおにぎりはどれも小さいし、握らないで型に入れて作るものもあるし、おにぎらずなんてのもあるけど、やっぱり昔ながらのおにぎりを食べたいと思うことが多い。なんて言いながら、この頃ほとんどおにぎりを作ってないんだけど、、、。

そういえば、三角おにぎりの形には、未だに違和感を感ずる。

三角おにぎりは気が急いている時にどこからでもかじりつくことができるように握る形で、火事場の時に作るもの。ゆっくり食べる普段は丸型と教えられてきたから。俵型はお重に入れるおにぎりだった。

そして今でも思い出すのは、小学校の初めての遠足で同級生が持ってきたおにぎりの大きさ。大きな海苔二枚で包まれた赤ん坊の頭ぐらい大きなおにぎり。中身は大きな梅干しが3個。

皆思い思いにお弁当を開き始めた時、近所の男の子が丸い小さな風呂敷包みを嬉しそうに開き始めたので、何が出てくるのかな?と興味津々で見ていたら、出てきたのが件のおにぎり。おかずは薄く切ったたくあんが何枚か。

今日は海苔がたくさん巻いてあるし、梅干しも3個も入ってるからうれしいんだ、って言いながらかぶりついていた。そんな大きなおにぎりを一人で食べきれるのかなあと思いつつ見ていたけど、それは大きなお世話だったようで、ぺろりと食べ終えていた。

わたしのおにぎりを見て、そんな小さなもので足りるの?海苔だって少ないしさ、と逆に心配してくれたっけ。わたしのは、この頃コンビニで売ってるくらいの大きさのものが3個だったんだけどねえ。まあ、他の子供達のと比べればかなり小さめだったんだけど、、、。他の子は私のおにぎり2個分が1個くらいで、少なくとも2個は持ってきてたからねえ。

あの大きなおにぎりは、いったいどれくらいのご飯を握ったものだったんだろう?