何気なくつけたテレビで、仏具づくりの工房を映していた。
お寺の備品である大きなおりんを見て、「あっ、がもも」と呟いていた。
今まで思い出すことすらなかったのに、自然に出てきたことに驚いた。
呟いてから、「がもも」って本当に言うのだろうか?と疑問がわいた。
取り敢えずネットで検索してみたけど出てこない。
つれあいに聞いてみたら、そもそも特定の名称で呼んだことがないという。
私の記憶の中では、家庭の仏壇にあるような小さなものは「おりん」、お寺にある大きなものは「がもも」と呼んでいたのだけど、思い違いなのだろうか。
同じような呼び方をしてた人はいないのかなあ。
ここからは独り言。
小さい頃、熱心な仏教徒でもあり、お寺の縁戚でもあった祖父に連れられ、良くお寺参りをした。「ほんこさま(報恩講)」のような行事の時は、お参りの後法話を聞いて、持参したご飯を入れた御器(ごき)を出して「お汁」と「おさい」を頂いた。普段も、何かにつけてはお寺へ行き、仏様に手を合わせるのが常だった。
おじさんもいとこも坊様だったから仏教は身近にあった。お寺参りは何の違和感もなく至極当たり前のことだった。
祖父は仏教徒ではあったけれど、八百万の神を信じていたし、神社の神様も仏様と同じように大切にしていた。
山で何かを採取するときも、「いるだけ取るんじゃぞ。全部取ってはだしかんぞ。神様の分と獣の分を残さんとな。でないと、来年も取らしてもらえんでな。」と言うのが口癖だった。それは私の身に沁みついてるようで、何かの折にふっと浮かぶ。
今、自分が仏教徒かと言えば、そうだとも違うとも言い切れない。
じゃあ他に信じるものがあるのかと言えば、特にない。
そもそも宗教に関しては懐疑的。
でも、何となく神様というか目に見えない摂理のようなものがあるような気がしないでもない。